概要
抗体が抗原と結合する際、その全体を認識するわけではなく、抗原の比較的小さな特定の部分のみを認識して結合します。この抗体結合部位を抗原のエピトープと呼び、タンパク質の場合、通常5~10アミノ酸を認識していると言われています。
エピトープマッピングでは抗原タンパクのどの領域、配列に実際に抗体が結合(反応)するのかを確認し、エピトープ部位を調べる事が可能です。 抗体にはタンパク質の一次構造を認識するもの(linear、線状エピトープ)と立体構造を認識するもの(構造的エピトープ)があります。
本サービスでは、タンパク質抗原配列をもとに数残基~数十残基の長さのペプチド合成を行い、抗体との反応性をELISAで調べる方法を採用しておりますので、線状エピトープ抗体の解析に有効です。
また、本解析サービスはコスモ・バイオ社自社ラボ内でペプチド合成からELISAまで、すべての作業が完結します。
解析の流れ
Step1:ターゲット配列全体を10~30残基でペプチドデザイン、合成
Step2:ペプチドを固相化しELISAプレート作製
Step3:抗体との反応性をELISAで定性評価
Step4:エピトープ部位と考えられる配列のペプチドを高純度で合成し、ELISAで定量評価、エピトープ部位を決定
解析のステップと内容の詳細については
コスモ・バイオHP でご確認ください。
【概算費用(Step1~3)】
Step1~3において、そのほとんどの費用を占めるのがペプチド合成料金です。
そのため、 ①抗原全長 ②ペプチドデザインにおけるペプチド残基数 ③オーバーラップ数 ④純度 のステータスが大きく費用に影響します。
以下に比較表を作成しましたのでご参考ください。
例. ペプチド合成を20残基で設計し、抗原全長100、200、500、1000AA、オーバーラップ15、10、5AA、とした時のペプチド合成本数
表1. ペプチドの合成本数
抗原アミノ酸数 |
ペプチド合成20残基 オーバーラップ15残基 |
ペプチド合成20残基 オーバーラップ10残基 |
ペプチド合成20残基 オーバーラップ5残基 |
100 | 17 | 9 | 7 |
200 | 37 | 19 | 13 |
500 | 97 | 49 | 33 |
1000 | 197 | 99 | 67 |
表2. 純度保障なしの時の解析総額目安
抗原アミノ酸数 |
ペプチド合成10~25残基 オーバーラップ5~15残基 |
100 | ¥170,000~¥350,000 |
200 | ¥220,000~¥650,000 |
500 | ¥450,000~¥1,800,000 |
1000 | ¥840,000~¥3,500,000 |
【Step4の参考価格】
Step4の2ndスクリーニングでは、1stスクリーニングの結果から数本のペプチド(打合せにより決定)について、95%以上の高純度ペプチドを再合成してELISAを行うため、新規合成するぺプチドの本数と残基数により価格が変動します。下記の表は新規ペプチド合成3本または5本とし、ペプチド残基数10~25残基のときの参考価格です。
表3.
ペプチド合成残基数 |
3本合成した時のELISA測定を含めた費用 |
5本合成した時のELISA測定を含めた費用 |
10残基 |
¥160,000 |
¥300,000 |
20残基 |
¥220,000 |
¥400,000 |
Step1~3の価格とStep4の価格の合計額が、解析費用の総額の目安となります。
* 価格はすべて税抜きです。
【納期】
Step1のペプチド合成本数と純度が大きく影響します。 下記の表をご参考ください。
解析のStep |
サービス内容 |
参考納期 |
Step1 |
純度保障なし、10~50本 |
2週間 |
純度保障なし、50~200本 |
1ヶ月 |
純度保障あり、10~50本 |
1ヶ月 |
純度保障あり、50~200本 |
2ヶ月 |
Step2 |
ELISAプレート作製 |
1~2週間 |
Step3 |
1stスクリーニング(ELISA定性試験) |
1~2週間 |
Step4 |
純度95%ペプチド合成 |
1ヶ月 |
定量ELISA試験、報告書作成 |
2~4週間 |
合計 |
|
2.5~5ヶ月 |
* 納期を保証するものではありません。