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顕微鏡観察

顕微鏡観察とは・・・

顕微鏡は、肉眼では見えない微小な対象を観察するための実験器具装置です。「倍率」「分解能」「コントラスト」を利用して、観察しています。光学顕微鏡は対物レンズで拡大像をつくり、更に拡大像を接眼レンズで拡大します。観察方法にはいくつかの手法があります。ここでは、光学顕微鏡について紹介します。
(エビデント社からの提供資料、HP参照)

顕微鏡観察

顕微鏡観察
エピデント社 顕微鏡を学ぶ

顕微鏡の種類

▼ 実体顕微鏡

実体顕微鏡は、サンプルを巨視的かつ立体的に観察するために有用なツールです。両眼に個別の観察経路を提供することによってサンプルにある程度の奥行を与えるため、まるで実際に目で観察しているかのように見えます。

観察方法名特徴主な利用分野
明視野観察法 ・もっとも一般的な観察方法
・視野全体が照明によって明るい
・染色標本の観察
・個体をそのまま観察
蛍光観察法 ・標本が自ら発する蛍光を利用して観察
・検出能力が高い
・蛍光色素で染色、標識した細胞や組織の観察
・自家蛍光による標本の観察
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▼ 正立顕微鏡

サンプルを上から観察する顕微鏡。正立顕微鏡は、生命科学や細胞生物学において、スライドサンプルの位相差観察、明視野観察、微分干渉観察、蛍光観察など幅広く使用されます。

観察方法名特徴主な利用分野
明視野観察法 ・もっとも一般的な観察方法
・視野全体が照明によって明るい
・染色標本の観察
暗視野観察法 ・視野を暗くし、透明な標本を光らせて観察 ・バクテリアなどの無染色標本の観察
位相差観察法 ・回折光の光路差を明暗のコントラストに置換えて観察 ・無色透明の標本の観察
・生きている細胞の観察
微分干渉観察法 ・標本の勾配を利用して色や明暗のコントラストを付けて観察
・標本が立体的に見える
・無色透明の標本の観察
・生きている細胞の観察
偏光観察法 ・複屈折性のある部分を明暗や色のコントラストに置換えて観察 ・岩石や鉱物の結晶の観察
・複屈折性の検出、測定
蛍光観察法 ・標本が自ら発する蛍光を利用して観察
・検出能力が高い
・蛍光色素で染色、標識した細胞や組織の観察
・自家蛍光による標本の観察
分散観察法 ・漫液の屈折率の違いによる分散色の変化を利用して観察 ・アスベストの計数、定性分析
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▼ 倒立顕微鏡

サンプルを下から観察する顕微鏡。細胞培養容器の底に付着したサンプルの観察に適しています。ルーチン倒立顕微鏡、位相差顕微鏡、蛍光顕微鏡、共焦点顕微鏡及び超解像度倒立顕微鏡などがあります。

観察方法名特徴主な利用分野
明視野観察法 ・もっとも一般的な観察方法
・視野全体が照明によって明るい
・染色標本の観察
・生きている細胞の観察
位相差観察法 ・回折光の光路差を明暗のコントラストに置換えて観察 ・無色透明の標本の観察
・生きている細胞の観察
微分干渉観察法 ・標本の勾配を利用して色や明暗のコントラストを付けて観察
・標本が立体的に見える
・無色透明の標本の観察
・生きている細胞の観察
蛍光観察法 ・標本が自ら発する蛍光を利用して観察
・検出能力が高い
・蛍光色素で染色、標識した細胞や組織の観察
・自家蛍光による標本の観察
レリーフコントラスト
観察法
・標本の凹凸を明暗のコントラストに置換えて観察
・標本が立体的に見える
・プラスチック容器中の細胞の観察
・精子、卵の観察
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観察手法

観察手法
エピデント社 顕微鏡を学ぶ

観察法による見え方

同じ標本でも、観察法によって見え方が異なります。

観察方法による分類

観察方法名特徴主な利用分野
明視野観察法 ・もっとも一般的な観察方法
・視野全体が照明によって明るい
・染色標本の観察
・生きている細胞の観察
暗視野観察法 ・視野を暗くし、透明な標本を光らせて観察 ・バクテリアなどの無染色標本の観察
位相差観察法 ・回折光の光路差を明暗のコントラストに置換えて観察 ・無色透明の標本の観察
・生きている細胞の観察
微分干渉観察法 ・標本の勾配を利用して色や明暗のコントラストを付けて観察
・標本が立体的に見える
・無色透明の標本の観察
・生きている細胞の観察
偏光観察法 ・複屈折性のある部分を明暗や色のコントラストに置換えて観察 ・岩石や鉱物の結晶の観察
・複屈折性の検出、測定
蛍光観察法 ・標本が自ら発する蛍光を利用して観察
・検出能力が高い
・蛍光色素で染色、標識した細胞や組織の観察
・自家蛍光による標本の観察
レリーフコントラスト
  観察法
・標本の凹凸を明暗のコントラストに置換えて観察
・標本が立体的に見える
・プラスチック容器中の細胞の観察
・精子、卵の観察
分散観察法 ・漫液の屈折率の違いによる分散色の変化を利用して観察 ・アスベストの計数、定性分析

明視野観察

顕微鏡で、もっとも一般的な観察方法。 視野全体が照明によって明るく見える。 色の付いている標本や染色した標本の観察を行う。

位相差観察

試料によって回折した光と照明の直進光との光路の差(位相のずれ)を利用した観察方法。 生物顕微鏡において、無色透明の試料や生きている細胞の観察などに用いられている。

微分干渉観察

試料の屈折率の違いや厚みの違いから生じる光路差(透過した光の進む距離)によって干渉を起こす観察方法。位相差観察が苦手とする厚みのある試料なども観察できる。透明媒質中の微細な生細胞や無染色の生物試料の観察に用いられている。

蛍光観察

蛍光観察では、観察や検出したい物質を蛍光色素で染色し、試料に蛍光を発光させるための光(励起光)を当てて、試料が発する蛍光を観察する方法。暗い視野の中に蛍光だけが光るため、検出能力が高く、検出したい部位が識別しやすいことが特徴。

レリーフコントラスト(別名:ホフマンモジュレーションコントラスト)

レリーフコントラスト観察は、試料を染色せず、標本の像に微分干渉のような一定方向の陰影をつけて観察する方法。プラスチック容器で観察できるところが大きな利点。卵細胞など厚いサンプルの観察に適しているが、この観察法を用いるのは体外受精のケースが多い。

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